Uberによる白タクサービスを正しく批判する

Uberについて、一般のドライバーが運転できるようになるサービスuberXは、例外を除いて日本では許可されていません。「白タクシーだから反対」という意見も目にします。

従来の白タクシーはいろいろとヤバい点があったので規制されているわけですが、「白タクシーなのでヤバい」という批判は、現在においては雑になってきています。

Uberの白タク&相乗りサービスである「Uber POOL」を実際に使ったキャプチャを通じて、どのようにUberが行う白タクサービスを批判すればよいのかのヒントを示します。

ぼくはどんなひとか

ぼくは、以下のような人です。

  • カリフォルニア州サンフランシスコ市内在住
    • Uberの本社がある都市です
  • 自家用車を持っている
  • Uberや、その競合であるLyftは週に2度ほど使っている
    • 聴力に障害があるドライバーの車に2度乗ったことがある
    • 乗車前後でiPhoneをなくして、ドライバーに問い合わせたことがある
  • Uber Plusに加入している
    • 月額$20払えば、サンフランシスコ市内は乗り合いで$3、乗り合いなしで$9定額で乗り降りできる

サンフランシスコは以下のような特徴を持つ街です。自家用車を持っているのに、バスがあるのに、なぜUberを使うのかが理解できるでしょう。

  • 運転が難しい
    • 坂が多い
    • 一方通行が多い
    • バス・タクシー・自転車専用レーンがある
    • 路上駐車が多い
  • 駐車が困難
    • 駐車場が少ない
    • 駐車料金が高い
  • バスは$2で定額だが、快適でない
    • バスの到着時間にばらつきがある
    • バスを利用するのは低所得者層が目立ち、ずっと叫んでいる人や、強烈な臭いを放つ人に何度が出会ったことがある
  • タクシーも快適でない
    • 要チップ
    • クレジットカード払いは嫌がられる

なお、Uberには白タクかつ相乗りサービスであるUber POOL、白タクサービスであるuberX、白タクじゃないTAXIなどいろいろなサービスがありますが、このエントリでは面倒なので全てをUberと略して呼んだりします。

Uberの乗り合いサービス、Uber POOLはこんな感じ

Uberの乗り合いサービスであるUber POOLを実際に利用したスクリーンショットを紹介します。2016年10月現在です。

映画ズートピアなどで、その仕事っぷりが伝えられようになったDMVから、オフィスまで帰りたいです。

Uber畑でつかまえて

アプリを立ち上げて、現在位置が表示されます。ここらへんは日本版Uberでもおなじみですね。

おすすめの乗車場所

最近のUberアプリは、乗りやすい場所を提案してくれるようになりました。自由に場所が指定できると、車では行きづらい場所を指定したりすることもあります。提案の場所を選択すると、一般的に乗るまでの時間が短縮できるようです。

ルート確認

目的地を入力します。今回は事前に「自宅」として登録しておいたオフィスを選択しました。到着予定時刻が表示されます。uberXであれば相乗りではないので、通る予定のルートも表示されます。今回はUber POOLなので、ルートは表示されていません。

予定金額も表示されます。ぼくはUber Plusに加入しているので、$3.00の固定レートです。

支払方法も選択できます。個人・会社のクレジットカードを登録してあります。カード番号を登録したくない人は、PayPalも使えます。

あいのり人数確認

Uber POOLは最大4人まで相乗りします。2名の場合は昔は無料、今は$1.00追加しないといけません。ぼくはUber Plus加入なので2名でも無料です。

細かいツッコミですが、uberXを利用しないといけないのは、2名以上ではなく、3名以上ですね。翻訳が間違ってます。

あいのりへの道

リクエストが確定すると、ドライバーの名前、車のナンバー、車種、そして車の現在位置が表示されます。今回は新車で、まだ車のナンバーが確定していないようです。

緑の点が、相乗りする相手がいる場所です。10分と書かれた点が、ぼくがいる場所です。相乗り相手をつかまえてから、ぼくのところに向かうようです。

ドライバー詳細

ドライバー情報を詳細に見ることもできます。

星の数やドライバーの現在位置を見て「あ、このドライバーの車に乗りたくないな」と思えば、キャンセルできます。

10分もせずに乗車。どんな相乗り相手かな、どんなドライバーかな。

相乗り相手はインド出身。インドでは歯医者をしていたけど、アメリカに渡ってIT関係の職に変えたらしい。

ドライバーはロサンゼルス出身で、おいしいものが好きらしい。「うまいインド料理屋はどこ?」「ちょっと高いけどDOSAかな」とか、「海底撈の火鍋マジうめーよね、本国ではマッサージとかもやってるらしいけどこっちではやってなくて残念、ロスにはあるけど、今度Cupertinoにも出来るらしいぜ」とか食べ物スモールトークをした。

ドライバーのスマフォから「リリリン」という音が鳴りました。相乗り相手が途中で増えた合図です。相乗り相手が降りたあとに新しい相乗り相手が追加されたり、Uber POOLでの同乗者はくるくる入れ替わります。

運転手によっては、以下のようなことをやってくれます。

  • 水・ガム・グミなどをタダでくれる
  • LightningケーブルとmicroUSBケーブルが常備されていて充電できる

こちらが希望しない限り、基本的にはGoogle MapsもしくはWazeの表示するナビルートを通るように運転してくれます。

聴力に障害のあるドライバーの場合、乗車すると「聴力に障害あるのでヨロシク」というようなカードを見せてきます。目的地は事前にアプリで入力してあるので、基本コミュニケーションは必要ないんですね。その代わり「ありがとう」の手話を車内でググることになります。

評価

無事オフィスにつきました。支払いは事前登録したクレジットカードからなので、ただ降りるだけです。

車から降りたあとにアプリを起動すると、評価画面になります。

ここで、先ほど述べた「スモールトーク」「水・ガム・グミがタダ」「充電可能」「ルートはナビどおり」が効いてくるのです。運転者はここで評価を下げられないために、いろいろと手を尽くしているのです。

ナビのルートを外れて遅れた場合、後で評価を下げられるかもしれないし、料金が不当に高い、というクレームをつけられる可能性が出てきます。

評価は星となって表示されるので、低くなるとキャンセルされる率が高まります。ある一定基準以下になると、そもそもUberのアプリ側がマッチングしてくれなくなります。

逆に、乗客も運転手によって評価されます。Uberは乗客の評価を乗客に教えてくれませんが、競合であるLyftの場合には「5つ星連続5回達成やったね!」とかいう無邪気なメールを送ってくれたりします。

これによって、運転手側もヤバい客を避けることができるようになります。そもそも、Uberのようなアプリを使いこなしている時点で、若くてそれなりに経済力がある人がメインの客層です。お金のやりとりもないから強盗のリスクも低いし、運転手側もメリットが大きいんですね。

詳細な評価

星のあとには、どこを評価するかのボタンが出てきます。競合のLyftの場合は、チップも払うことができます。

「クソ!」と思ったときの問い合わせボタンも右上に用意されていますね。

降車後メール

また、降車後には、乗車・降車時間、通ったルート、料金などの情報が載ったメールが送られてきます。

メール内のリンクから、通ったルートがおかしい場合に返金を要求したり、忘れ物があった場合にドライバーに連絡したりすることができます。

経費精算する場合には、このメールを印刷して渡したりします。

これが、Uber POOLを使ってみた一例です。

Uber白タクはこのように批判しよう

上記の体験スクリーンショットを見て分かることは、uberXとは「白タクシーのヤバいところをテクノロジーで補完している」サービスだということです。

白タクシーのヤバいところを、具体的に挙げてみましょう。

  • 運賃が不明瞭
  • 乗ったことを証明できない、よって経費精算に使えない
  • 乗ったあとで連絡する手段がない
  • 悪いサービスをしても、仕事を続けられるので、改める動機がない
    • ダマしてぼったくったりするのが合理的
  • 拉致監禁されたりするかも

上記の体験談を読むと、これらの点が緩和されていることがわかります。

しかし、果たして全てのヤバい点を補完できているのでしょうか。そうではないですよね。ここに批判の糸口があります。

日本でのuberXスタートに関して、このような批判はいかがでしょうか。

  • 日本では、第二種運転免許取得を要件として欲しい
    • 運転が荒いドライバーにたまに当たる
  • 空港など需要が多そうな場所のまわりで、客待ちの車が増えて困る
    • uberXでは、空港入港のライセンスを必要にして対応してたりする
  • Uber社によるドライバーの待遇が悪い
    • ドライバーの保険の負担などでもめている
  • Uber社自身が嫌われている
    • 上記の待遇の件などで、悪辣な会社というイメージがある
    • Lyftしか使わねー、という人は少なからずいる
  • 評価数が少ないドライバーの車に乗ったら、ひどい体験をする可能性がある

日本で二種免を必須にすると、現行の試験においては、聴力に著しい障害のあるドライバーは排除されます。そこはトレードオフですね。

日本のタクシーアプリとの違いは

東京圏ではエコタクシーか日本交通のアプリ、関西圏ではMKタクシーのアプリを使っています。事前登録したクレジットカードでの決済などもできるようになったり、便利に進化しつづけています。

エコタクシーは安さ異常ですよね。車の台数が少なくて拾うの大変ですが。

タクシーの相乗り「AINORY」というアプリもあります。ただし、マッチングを成立させるのが難しいようです。

Uber POOLの場合には、マッチングしてもしなくても値段が変わらず、マッチングしなくても移動が開始するので、そのようなマッチングサービスができるとよさそうです。

Uber POOL、uberXは、上記で紹介したとおり、白タクであること以外にもメリットがあります。現行の日本のタクシーにそれらの便利機能を追加していくのはよいことだと考えていますし、実際日本交通をはじめとするアプリによって実現されてきました。より多くの便利機能が実装されていくことを願っています。

まとめ

  • uberXとは「白タクシーのヤバいところをテクノロジーで補完している」サービス
  • 補完しきれないところもある
  • その点を的確について批判しよう
  • Uber POOL/uberXの便利な点はどんどん真似していくとよい
  • ぼくのUberの紹介コードは「2EL99」で、このコードを入れると初回乗車$20引き、ぼくも$5くらいもらえるので、ぜひどうぞ