freee株式会社に遊びにいって、クラウド型会計ソフトfreeeを試してみたよ

全自動のクラウド型会計ソフト「freee (フリー)」でおなじみの、freee株式会社に遊びに行ってきました。引っ越したばかりの新オフィスです。

僕は大学院博士課程在席時代に、なぜか大原簿記学校の公認会計士本科にも通っていました。しかし、どう見てもムリなダブルスクールによってどちらも挫折しプログラマーへの道を選んだという経緯があります。その過程でなんとか日商簿記1級までは取得しており、一応簿記に詳しいプログラマという設定になっています。

クラウド型会計ソフトが普及すれば、正確な企業統計も取れるし、そもそも領収証というものもいらなくなるかもしれないし、夢が広がりまくりんぐとは思っていました。代表の佐々木さんと偶然知り合った際、「すごく面白そうなことやってますね!!!」と僕がノリノリになってしまい、ランチにお誘いいただいたのです。

「社交辞令を真に受ける」というポリシーを定めているので、会社訪問&ランチに行ってきた次第です。

オフィスの様子

みなさん真剣&静かに仕事に取り組んでいました。そんな中キャッキャとはしゃいでいた僕、すみません。

机はIKEAで買っているそうな。僕もパソコンデスクを設計して木工したりしましたが、やっぱり木の天板はいいですね。

仕事に取り組む様子

( ゚д゚ ) こっちみんな

こっちみんな

会議スペースはまだ工事前。ビリヤード台を設置予定とのこと。

会議スペースなどはまだ工事前

プロダクト志向なのがとてもよいと感じました。ユーザを集めることがプロダクトそのものよりも重要なサービスもありますが、freeeのような会計サービスはプロダクトそのものの出来がサービスの出来に直結しています。というわけで、エンジニアとしては自らの能力をサービス改善に強く活かすことができて、やりがいがあり楽しそうでした。

会計ソフトとしてのfreeeについて

僕が趣味で運営している株式会社wktkは、すでに5期めに突入しました。今まで弥生会計を使って仕訳を行ってきましたが、今回freeeを試してみました。

freeeのよいところ

freeeのよいところは「自動で経理」機能を中心に据えているところである。全ての機能がそこに集約されるように設計されているように思える。

Webアプリケーションでの会計ソフトは、インストールしたアプリケーションに比べてレイテンシが悪いのは仕組み上当然だ。よって、気持ちのいい入力という点ではそもそも負け戦をするしかない。しかし、そもそも入力をしなくてよいとしたら?

freeeのトップ画面は以下のとおり。面倒がって期初の開始残高を設定していないのでマイナスになっている。

freeeトップ画面

オンラインバンクやクレジットカード明細閲覧サービスのアカウント情報を登録すると、明細を自動で取り込んでくれる。アカウント情報を入力するのに躊躇する場合には、手動でのデータ登録も選ぶことができる。

取り込まれた明細を元に、「自動で経理」機能を起動することができる。

freee自動で経理画面

上記のように、取り込んだ明細の摘要から勘定科目などを推測してくれる。クレジットカード料金の銀行引き落としの対応関係もとってくれた。

「自動で経理」の各項目は、そのまま取り込むか、修正して取り込むか、取り込まないかを選ぶことができる。

Gmailを閲覧しているときに、ショートカットキーの「j」「k」を使ってスレッド間を移動して、Starを付けたり重要マークをつけたりアーカイブしたりして処理をしている。そんなノリで「自動で経理」された項目をそのまま取り込んだり、修正したりできる。

ショートカットキー

「自動で経理」機能ではデフォルトでそれなりの分類をしてくれるが、自ら自動登録ルールを定めて「自動で経理」機能を自分なりにカスタマイズすることができる。Gmailの振り分け機能的なイメージ。

自動登録ルール

勘定科目はカテゴリから選択することができる。

勘定科目

勘定科目略称検索もあって、ざくざく入力する際にもそれほどストレスはない。摘要はタグになっている。タグには、取引先、品目、メモの3種類がある。取引先タグについては住所などの追加情報も登録できる。タグにも略称をつけることができる。

勘定科目の略称検索

摘要タグの略称検索

固定資産台帳もあるし、それに基づいた自動減価償却計算もある。

固定資産登録

僕みたいな個人法人であれば、十分使えるな、と判断している。

freeeのよくないところ

「取引の一覧」ビューが見づらいと感じた。

矢印の上下でプラスマイナスではなくて、合計・小計のところでマイナスの場合には赤字で▲始まりの数値が出るようになっているとうれしい。現状は金額とプラスマイナスが離れていて見づらい。また、勘定科目や摘要のタグごとにセルの背景色を変えることができたりすると、さらに見やすいと思う。現状では「取引の一覧」より、「レポート」にある「仕訳帳」のほうが個人的には見やすい。

「取引の一覧」で検索条件を細かく指定できるんだけど、それを保存できるようにしたい。カスタムビューを作りたいということ。

摘要のタグを複数つける場合に、2個目以降は略称での検索が出来なかったりする。たぶん単なる不具合。大体気持ちよく操作できるので、ちょっとイラっとする。

「自動で経理」のルールについて、他のユーザと共有したい。特定のルールセットをインポートできて、インポートの数によってランキングされていたりするとうれしいな。

無料プランの間に入力した取引データについて、3ヶ月を超えたデータは有料プランに変更しても失われてしまうことは、少し残念。

たしかに、データを保持するためのストレージを維持するのにはお金がかかるが、うっかり3ヶ月を過ぎてしまったときにデータが消えていたら、そもそも有料プランに移行しようという気がなくなりそう。

6ヶ月間はデータを保持するが、無料版では3ヶ間しか表示されない。有料版に移行した時点で3ヶ月を超えて保持しているデータが閲覧出来るようになるとちょっとうれしい。もしくは、3ヶ月間を過ぎたら、新しく「自動で経理」が出来ない代わりに、すでに入力したデータはずっと残されるか。どんなプランであれ、少しの油断でデータが消えてしまい、復活手段がないというのはちょっとやだなー、と個人的に思ってしまう。

2013年5月のリニューアル前のflickrにおいて、無料版ユーザはアップロードしたオリジナルの解像度の写真はダウンロードできなかった。しかし、いったん有償版ユーザになれば、過去にアップロードした写真も遡ってオリジナルの解像度の写真をダウンロードできた。そんなノリだとうれしいな。