「たのしいバイナリの歩き方」を読む
愛甲健二さんの「たのしいバイナリの歩き方」を読了。良本。
どんなひとに勧めるか
Windows環境をお持ちの以下の人。
- アセンブリ言語について入門したい人
- デバッガの動作原理を知りたい人
- アンチウイルスソフトの動作原理を知りたい人
- 脆弱性がなぜ起こるか知りたい人
- 深遠なる理由によってWindowsのバイナリにパッチを当てて運用しないといけない人
感想メモ
- 本格的なプログラミングをゲームを改造したいがためのリバースエンジニアリングから始めたクチなので、面白く読めた。
- 「実際にやってみよう!」というスタイルで面白く読めた。複雑すぎる概念は、それがあることを明示的に認めつつ説明を飛ばしているので、読んでて安心感があった。たとえばコラムのレジスタでZF/CFのみ紹介するところとか。
- コラムと第5章が未知の概念へのよい案内となっている。量はそれぞれ少なめ&数は多めでオトク感。NASM/ALINKで実行ファイルを作るコラムとか。
- いろんなアーキテクチャを想定してあることがよい。Windows/Linuxしかり、Java/.netしかり。
- 各章の分量がバランスいいし、いろんなトピックを網羅的に触れようという気持ちも伝わってくる。
- スタックの図示がまめにあってわかりやすい。
- IDAというdisassemblerをはじめて知った。いつもOllyDbgで動的解析ばかりだったからなあ。IDAの出力は結構キレイそう。
- やっぱり、Windows上のバイナリエディタは未だにStirlingとBZエディタなんだ。ファイルを全読みしないStirlingはホントに望まれるところ。
- Appendixでインストール方法書いてあるの丁寧。
- 装丁がシンプルでかっこいい。